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労働と貧困 ドイツ調査
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弁護士 高木太郎
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日弁連の人権大会シンポジウムが今年10月2日に富山で開催されるが、その準備のためのドイツに調査に行った。シンポジウムのテーマは「労働と貧困」。今もっとも旬のテーマである。
季節は5月、ドイツはもっとも美しい時期を迎えていた。夜明けは4時前、日暮れは9時。空は晴れ渡り、夜は肌寒くても昼間は上着なし。花は咲き、新緑も映える。
であるのに・・・。ドイツに滞在した間、毎日、朝から調査、調査、調査。夜は食事をかねて反省会をすると、もう10時半。後はホテルに戻って風呂入って寝るだけ。
それでも、ベルリンのブランデンベルグ門、ベルリンの壁(のなごり)、ニュルンベルグの古い町並み、フランクフルトの飲屋街、空や車窓から見たドイツの町並みなど、調査の合間に素晴らしい光景に出会った。
さて、調査。
労働組合、政府機関、使用者連盟、NPO法人など多岐にわたった。
ドイツはもともと労使の自治の国。組織率22パーセントながら、労組の役割は大きい。産別労組が賃金協定を含む様々な労働協約を使用者団体との間で結び、これを事業所毎の経営協議会に参加している労働者代表委員がチェックする仕組みである。
さらに政治もそれを後押しし(というより国民が政治にその役割を果たさせている)、かなり手厚い、失業給付、生活保護給付により、労働力の安売り防止をし、労働者が悲惨な低賃金状態に置かれることが防がれている。
しかし、これも経済のグローバル化の中で、高い賃金コストの国から安い国に企業が逃げていってしまうと一国の労働者保護政策では対処できない。特にドイツでは隣国ポーランドへの企業移転が問題になっている。
ドイツも含めた欧州各国では、労働力をフレキシブルに使えるという観点と、労働者保護(セキュリティ)の調和を図るフレキュシキリテイという理念が提案されている。労働者保護が強かったドイツはフレキシブルの側面を強める事になるかも知れない。日本は、当然、セキュリティの側面を強化するべきである。
調査の中で「万国の労働者よ、団結せよ」と言う言葉を思い出した。世界的な規模での労働力の安売り競争を防ぐ今、必要なものなのだろう。 |
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