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法律相談 Q&A
刑事・少年
法律相談のいくつかの事例をご紹介します。
Q1 被疑者・被告人の権利にはどんなものがありますか?
Q2 「黙秘権」とはどんな権利ですか?
Q3 弁護人依頼権はどうして重要なのですか?

Q4 「当番弁護士制度」というのは何ですか?
Q5 国選弁護人はどのような場合につくのですか?

Q6 国選弁護人がつくのは被告人だけですか?
Q7 逮捕された場合にその後どんな手続が行われるのですか?
Q8 刑事裁判の流れを知りたい。
Q9 「公判前整理手続」とは何ですか?
Q10 「即決裁判手続」とは何ですか?
Q11 「略式手続」とは何ですか?
Q12 少年事件は通常の刑事事件とどう違うのですか?
Q13 犯罪の加害者が精神障害者だった場合、どのように扱われるのですか?
Q14 裁判員制度について教えて下さい。
Q15 犯罪被害者を保護する制度としては、どんなものがありますか?
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Q1 被疑者・被告人の権利にはどんなものがありますか?
A1 犯罪の嫌疑を受け捜査の対象となった人のことを被疑者、検察官により起訴されて裁判所での刑事裁判の対象となった人のことを被告人といいます。
憲法31条は、何人も適正な手続によらなければ身体を拘束され、刑罰を受けない権利を有することを保障しています。そして、憲法32条以下では以下のように具体的な権利が規定されています。
被疑者は、現行犯の場合以外は令状によらなければ逮捕されず(憲法33条)、身体拘束を受ける場合には、理由を直ちに告げられ、直ちに弁護人を依頼する権利を有する(憲法34条)とされています。
また被告人の権利として、公平な裁判所の迅速な裁判を受ける権利、証人尋問権、弁護人依頼権を保障し(憲法37条)、さらに不利益供述の強要禁止、任意性のない自白の証拠能力排除(強要等された自白は裁判の証拠として使えないということ)、補強証拠の必要(自白だけでは有罪とできないということ)などの自白法則が定められいます(憲法38条)。
これらの被疑者・被告人の権利の中でも特に重要なのが、「黙秘権」と「弁護人依頼権」です。
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Q2 「黙秘権」とはどんな権利ですか?
A2 「黙秘権」は、単に自己に不利益な供述を強要されないというだけでなく、終始沈黙することができ(刑事訴訟法311条)、自己の意思に反して供述する必要がない(刑事訴訟法198条2項)という権利です。黙秘権を行使する被疑者・被告人を、そのことを理由に不利益に扱ってはいけません。検察官や警察官には、被疑者の取調に際して「黙秘権の告知」が義務づけられています(刑事訴訟法198条2項)。
また黙秘せずに被疑者が供述した場合でも、被疑者には、供述調書の訂正申立権(刑事訴訟法198条4項)や署名押印拒否権(刑事訴訟法198条5項)も認められています。
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Q3 弁護人依頼権はどうして重要なのですか?
A3 突然逮捕され留置場に入れられて困惑している被疑者が警察官や検察官といった取調の「プロ」を相手に、黙秘権等の諸権利を主張することは事実上不可能でしょう。そして取調の際に作られた供述調書(特に「自白」)は刑事裁判での有罪認定の証拠となり、裁判の段階で「自白」が虚偽だったと主張してもなかなか認めてもらえません。「自白」は「人間は自分に不利益な嘘をつくはずがない」という思い込みから証拠として重視されやすく、冤罪や誤判の原因となります。そのため、被疑者・被告人(被疑者は起訴されると被告人になる)の権利を実質的に保障するためには、弁護人による助力が不可欠です。
また、身体を拘束された被疑者は自分で被害者に謝罪し示談交渉をすることもできませんし、刑事裁判の準備をすることもできません。
以上のようなことから弁護人依頼権は重要な権利です。もし逮捕されてしまったときには、早期に弁護人を依頼するべきです。
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Q4 「当番弁護士制度」というのは何ですか?
A4 当番弁護士制度というのは逮捕・勾留されて身体を拘束された被疑者(犯罪の嫌疑を受けて捜査の対象となった人)や家族らからの依頼により、当番の弁護士が速やかに、かつ、「第1回の接見は無償」で被疑者と接見し、必要な助力を行うというもので、弁護士会は、被疑者等から依頼があったときは、当番日を割り当てられ待機しまたは名簿に登載されている当番弁護士に連絡し、当番弁護士が接見に赴くという制度です。
また、被疑者や家族からの依頼がなくても新聞記事等の情報から否認事件や殺人、放火などの重大事件で早期に弁護人の選任が必要であると弁護士会が判断した場合は、弁護士会が当番弁護士を派遣する(委員会派遣)こともあります。
当番弁護士は、被疑者と接見し、被疑事実の内容とこれに対する言い分、逮捕状況、当番弁護士依頼の趣旨等を聴取し、今後予想される刑事手続の流れや黙秘権・調書訂正申立権・署名押印拒否権などの諸権利を説明して、被疑者が虚偽の自白をしないように助言を行うなどします。
被疑者が当番弁護士を弁護人に選任したいと希望した場合は、当番弁護士は自ら私選弁護人として受任します。被疑者に弁護士費用を払う資力がない場合には、「被疑者援助制度」を利用して援助の申込みを行い、援助決定を受けたうえで私選弁護人として受任します。
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Q5 国選弁護人はどのような場合につくのですか?
A5 国選弁護人は、被告人等の請求により選任される場合と、裁判所が職権により選任する場合があります。
裁判所は、被告人が貧困その他の事由により弁護人を選任することができないときは、その請求により弁護人を付する(刑事訴訟法36条)とされています。実務上、この請求は、裁判所が被告人に対して弁護人選任を請求するかどうかを確かめるときに、必要事項を印刷した回答用紙を送付して被告人に回答を求め、被告人がこれに必要事項を記入して返送する方法によって行われています。
また、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固にあたる事件」は弁護人がいなければ開廷することができず(刑事訴訟法289条1項)、この場合、このような事件で弁護人がいない場合、裁判所は職権で弁護人を付するものとされています(刑事訴訟法289条2項)。
被告人が(1)未成年、(2)70才以上、(3)耳が聞こえない又は口のきけない、(4)心神喪失・心神耗弱の疑いがあるとき、などのように、被告人の防御が劣っている場合その他裁判所が必要と認めるときは、職権により弁護人を付することができます(刑事訴訟法37条)。37条のような場合に弁護人が出頭しないときも、裁判所は職権で弁護人を付することができます(刑事訴訟法290条)。
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Q6 国選弁護人がつくのは被告人だけですか?
A6 従来は、被告人国選だけで、被疑者段階では国選弁護の制度はありませんでした。しかし、2006年(平成18年)の秋から、「死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁固」にあたる事件については、被疑者段階でも国選弁護人を選任できることになりました(被疑者国選)。
そして、平成21年(2009年)5月27日までに、対象事件の範囲を拡大して、「死刑又は無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁固にあたる事件」(刑事訴訟法289条の必要的弁護に該当する事件)についても被疑者国選制度が実施されることになっています。
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Q7 逮捕された場合にその後どんな手続が行われるのですか?
A7 逮捕された被疑者は、司法警察員(警察官)又は検察官が留置の必要がないと判断したときは直ちに釈放されますが、留置の必要があると判断されたときは一定時間留置場で身体を拘束されます。
警察は、逮捕後「48時間以内」に事件を検察官に送致します。被疑者は検察庁で担当の検察官から被疑事実について弁解を聞かれます(弁解録取)。検察官が被疑事実に根拠があり逃亡や証拠隠滅のおそれがあると判断した場合、検察官は、「被疑者を受け取ってから24時間以内」かつ「被疑者が身体を拘束されてから72時間以内」に裁判所に勾留請求をします。勾留請求をされた被疑者は裁判所で裁判官から質問を受け、勾留の理由があると判断されるとさらに「10日間」の範囲で勾留の決定がされ、勾留場所(拘置所または警察の留置場)で引き続き身体の拘束を受けます。逆に勾留の理由がないと判断されると勾留請求が却下され、検察官が異議申立をしなければ釈放されることになります。
被疑者は勾留されている間も警察官や検察官から取調を受けます。10日間の勾留では起訴不起訴の判断ができないときは、さらに最長10日間勾留が延長されることもあります。
この10日間または20日間の満了までに、検察官は裁判所に対して起訴するか、または起訴しないで釈放するかを決定します。捜査の結果、容疑が晴れたり示談ができたなどの事情により不起訴となれば釈放されます。容疑が固まり起訴されると裁判所での裁判手続が始まります。
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Q8 刑事裁判の流れを知りたい。
A8 起訴されて裁判所から起訴状が送られてきたあと、弁護人選任の手続等がすむと、第一回の公判期日に出頭するように呼出がかかります。公判期日までの期間は、弁護人と相談しながら、検察側の証拠を検討したり、有利な証拠を集めたり、被害者と示談するなどを行うべきです。
公判(刑事裁判の法廷)では、裁判官が被告人の住所・氏名・職業等を聞いた後(人定質問)、検察官が起訴状を読み上げます(起訴状朗読)。次に、裁判官が被告人と弁護人に起訴された事件についての意見を聞きます。その次に検察官が証拠により立証しようとする被告人の経歴・犯行の動機・態様・結果などを述べます(冒頭陳述)。
次に検察官が証拠調べを請求します。検察官の請求する供述証拠などについて、証拠とすることに同意するかどうかを確認され、証拠とすることに同意すれば供述調書はそのまま証拠になります。同意しない場合には、証人尋問を行って、供述内容の信用性を検討することになります。もちろん、被告人・弁護人の側からも、有利な証拠の証拠調べを請求することができます。
証拠調べの最後に被告人質問が行われます。事実関係や情状について被告人自身が弁護人・検察官・裁判官などから質問をされます。この被告人質問の内容も事実認定の証拠となります。
証拠調べが終わると、検察官の意見である「論告・求刑」、弁護人の意見である「弁論」、被告人本人の「最終陳述」が行われ、審理が終わります(結審)。結審後は、判決の宣告となり裁判所による有罪・無罪の判断が宣告されることになります。
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Q9 「公判前整理手続」とは何ですか?
A9 公判前整理手続は、充実した公判(刑事裁判)の審理を継続的、計画的かつ迅速に行うため、事件の争点や証拠を整理する手続です(刑事訴訟法316条の2)。平成16年の刑事訴訟法一部改正により創設され、同17年11月1日から施行されています。集中審理の前提であるとともに裁判員制度の前提とされています(裁判員法49条)。
公判前整理手続が行われるかどうかは、裁判所が検察官及び被告人又は弁護人の意見を聴いて決定します(法316条の2第1項)。ただし、裁判員裁判対象事件については必要的に行われることになっています(裁判員法49条)。
公判前整理手続では、事件の争点及び証拠が整理され、全体の審理計画を定めて、証拠調べの範囲・順序・方法や公判期日等が決められます。そして、開廷後は、連日的な証人尋問尋問を行うなど集中的な審理を行うことになります。
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Q10 「即決裁判手続」とは何ですか?
A10 即決裁判手続は、平成16年の刑事訴訟法改正により新設された制度であり、事案が明白かつ軽微な争いのない事件について、即決裁判手続によって審判をする旨の決定から判決言渡しまでを原則として1日で行う刑事手続です。この手続で懲役又は禁固の刑を言い渡す場合には刑の執行猶予の言い渡しをしなければならないとされています。
要件は、(1)死刑又は無期若しくは短期1年以上の懲役若しくは禁固にあたる事件でないこと(法350条の2第1項但書)、(2)事案が明白であり、かつ軽微であること、証拠調べが速やかに終わると見込まれることその他の事情を考慮し、即決裁判手続によることが相当であること(同条1項本文)、(3)即決裁判手続によることについて被疑者の同意があること(同条2項)、(4)被疑者に弁護人がある場合は、弁護人が即決手続によることについて同意しているか、又は少なくともその意見を留保していること(同条4項)です。検察官の申立、裁判所の決定により手続に付されます。

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Q11 「略式手続」とは何ですか?
A11 略式手続は、簡易裁判所で公判手続を経ないで罰金又は科料を科する簡易手続です。検察官の略式命令請求により行われますが、以下の要件が必要です。
(1)簡易裁判所に管轄があり、50万円以下の罰金又は科料を科し得る事件であること、(2)被疑者に異議がないこと、がその要件です。
検察官が、略式命令の請求をするには、あらかじめ被疑者に略式命令手続を理解させるために必要な事項を説明し、通常の裁判手続によることができる旨を告げたうえで、略式手続によることについて異議がないかどうかを確かめねばなりません(刑事訴訟法461条の2第1項)。被疑者に異議がないときは、書面でその旨を明らかにしなければなりません(同条2項)。通常は、検察官が被疑者に対して略式命令手続について説明したうえで、被疑者に異議がないことを確かめ、被疑者が「略式請書」と呼ばれる書面に署名した場合に略式命令請求がなされます。
略式手続は、事実関係に争いがなく罰金刑ですむ事件では、正式な刑事裁判の手続きを受ける負担から解放されるので被疑者(被告人)にも利点があります。ただ、検察官が主張する被疑事実がほぼそのまま認定されるので、事実関係を争いたい場合には不向きです。
略式命令の告知があった日から14日以内は、被告人は正式裁判の請求をすることができます。正式裁判になった場合は、略式命令を出した裁判官とは別の裁判官が審理することになり、略式命令の内容に正式裁判の裁判官は拘束されません。
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Q12 少年事件は通常の刑事事件とどう違うのですか?
A12 少年とは、20歳に満たない者をいいます。「少年」というと中学生や高校生くらいのようなイメージがありますが、少年法の対象となる「少年」は、一般用語でいうところの「未成年」です。少年法上の「少年」には、性別の区別はなく女の子であっても少女とは呼ばず「少年」と呼ばれます。
少年は、一般に精神的に未熟なうえ、成人に比べて環境の影響を受けやすく、たとえ非行があったとしても深い犯罪性に根ざすものではなく、人格の形成途上にあるため、可塑性に富み、豊かな教育的可能性があります。
そこで、少年法は、少年の犯罪等に対しては、「刑罰」によらずに、「少年の健全育成」を期し、非行少年に対して性格の矯正及び環境の調整に関する「保護処分」を行うことを目的に掲げています(少年法1条)。なお、少年法のもと、少年に対しては成人以上に踏み込んだ矯正教育が行われているという面もあり、少年に対する手続や処遇が成人に対する刑事手続と比較して「未成年というだけで甘やかし過ぎている」という批判は必ずしも的を得たものとは思えません。
少年事件は、全件が家庭裁判所に送致されます(全件送致主義)。少年事件を担当する家庭裁判所には、非行の原因を究明するための専門的、科学的な調査機構として家庭裁判所調査官が配置され、また心身鑑別を担当する少年鑑別所が設けられています。少年事件の審判手続は、非公開で(刑事事件は公開の法廷)裁判官は事前に少年の非行事実や生活環境等についての記録を読み(刑事事件では裁判官は公判までは起訴状以外の証拠を見ることができない)、刑事訴訟法のような厳格な手続規定がなく裁判官の裁量が非常に大きい手続です。少年審判では少年に付きそう弁護士は弁護人ではなく、「付添人」と呼ばれます。
少年審判の結果として出される保護処分には、保護観察、児童自立支援施設・児童擁護施設送致、及び少年院送致等が定められています(少年法24条1項)。保護処分ではなく刑事処分が相当と判断された場合には家庭裁判所から検察庁に送致され(逆送)、その場合には、少年も被告人として刑事裁判の対象になります。
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Q13 犯罪の加害者が精神障害者だった場合、どのように扱われるのですか?
A13 刑事裁判により刑罰の対象となる犯罪の成立には、自己の行為を認識する能力及び自己の意思により自分の行動を制御する能力(責任能力)が必要です。つまり犯罪にあたる行為を行った者に責任能力のない(自分が何をやっているかを理解できないほどの精神障害がある等)場合には、犯罪は成立しません。
しかし、心神喪失等の状況で重大な他害行為を行った者(触法精神障害者)に対して、その適切な処遇を決定するための手続等を定めることにより、継続的かつ適切な医療並びにその確保のために必要な監察及び指導を行うことによって、犯罪行為の原因となった病状の改善及びそれに伴う同様の行為の再発防止を図り、その社会復帰を促進することを目的とする「心身喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び監察等に関する法律(医療観察法)」が平成15年(2003年)に成立しました。
医療観察法の対象行為は、殺人、放火、強盗、強姦、強制わいせつ及び傷害に当たる行為であり(医療観察法2条2項)、対象者は、対象行為にあたる罪を犯した者で、心神喪失・心神耗弱で不起訴処分となった者(同条3項(1))、及び上記の罪について心身喪失を理由とする無罪判決を受けた者や心神耗弱を理由として減軽の確定裁判を受けた者のうち、懲役又は禁固の執行猶予を受けない者(同条3項(2))です。
審判では、対象行為を行ったと認められない場合、心神喪失者及び心神耗弱者のいずれでもないと認める場合のほか、申立が不適法であると認める場合、検察官がする申立は裁判所の決定で却下されます。これらにあたらない場合には、入院決定(同法42条1項(1))、通院決定(同条1項(2))、医療行わない旨の決定(同条1項(3))がなされます。医療観察法による入院決定がされた場合、退院にも裁判所の許可が必要です。
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Q14 裁判員制度について教えて下さい。
A14 A14 国民の刑事手続への司法参加の制度としては、主に英米法系の国(アメリカなど)で行われている陪審制度と、主に大陸法系の国(ドイツなど)で行われている参審制度などの制度がありますが、平成16年(2004年)5月に成立・公布されたた「裁判員の参加する刑事裁判に関する法律」(裁判員法)により、一般の国民の中から選ばれた裁判員が裁判官とともに一定の重大事件に関する裁判を行うという独自の裁判員制度が実施されることになりました。この裁判員制度は、遅くとも平成21年(2009年)5月までには開始されることになっています。
裁判員裁判の対象となる事件は、原則として、(1)「死刑又は無期の懲役若しくは禁固に当たる罪」に係る事件と、(2)故意の犯罪により被害者を死亡させた罪に係る事件です(裁判員法2条1項)。
対象事件を取り扱う裁判体は、原則として、裁判官3名と裁判員6名っで構成される合議体です。裁判官のうちの1名が裁判長になります。ただし、公判前整理手続で公訴事実(犯罪として起訴された事実)に争いがないと認められ、事件の内容その他の事情を考慮して適当と認められるものについては、当事者に異議がなければ、例外的に裁判官1名と裁判員4名で構成する合議体で取り扱えるようです(裁判員法2条2項〜4項)。
裁判員は、事実の認定、法令の適用、量刑(刑の重さ)に関与し、関与する判断に必要な事項について、証人に尋問し、被告人に質問するなどの権限を持ちます。これに対して、法令の解釈などについては裁判官のみで判断することになるようです。裁判員の関与する判断のための「評決」は、裁判官及び裁判員の双方の過半数の意見によるものとされています(裁判員法67条1項)。
裁判員裁判が実施されることで日本の刑事裁判がどう変わるかは未知数ですが、いずれにせよ、従来の刑事裁判の形を変える大変革であることは間違いありません。
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Q15 犯罪被害者を保護する制度としては、どんなものがありますか?
A15 犯罪被害者は、事件の当事者であるにもかかわらず、従来は刑事訴訟手続の当事者としての地位はなく、手続に関与することも十分な支援を得ることもできない状況に追いやられてきました。近年は、「被害者保護」が叫ばれ、犯罪被害者の保護や支援に関する法整備もいくらかは進んできましたが、まだまだ十分なものとはいえません。
2000年(平成12年)の刑事訴訟法改正では、被害者による法廷での意見陳述権が認められ(刑事訴訟法292条の2第1項)、従来6ヶ月以内とされていた性犯罪の告訴期間が撤廃され(同法235条1項)、証人尋問の際に付添や遮へい措置(傍聴人・被告人との間に衝立をおくこと)、法廷とは別の場所でテレビモニターを通じて証言するビデオリンク方式の導入(同法157条の2以下)などがなされました。同時に検察審査会法が改正され被害者が死亡した場合に、検察官の不起訴処分に対する不服申立を遺族もできるようになりました。
また犯罪被害者保護法では、犯罪被害者等の傍聴に対する裁判長の配慮義務を定めるとともに、(1)犯罪被害者等による公判記録の閲覧及び謄写を可能とする制度、(2)民事上の争いについての刑事訴訟手続における和解の制度を導入しました。
2001年(平成13年)には、「犯罪被害者等給付金支給法」が「犯罪被害者等給付金の支給等に関する法律」に改正され、犯罪被害者給付制度が拡充されています。
また、被害者のために活動する弁護士の費用を援助する制度として日弁連が行ってきた自主事業の一つとして、「犯罪被害者法律援助」制度があります。これは、犯罪被害者からの法律相談、刑事告訴、法廷傍聴の同行、証人尋問・意見陳述の付添、刑事手続における和解交渉、報道機関等との交渉など、犯罪被害者の支援のために必要な活動で民事の法律扶助の対象とならない活動(例えば、民事裁判での損害賠償請求等は民事の扶助対象です。)の費用を法律扶助協会が援助するものです。援助の要件は、(1)資力に乏しいこと、(2)援助の相当性と必要性があること、(3)法律扶助の趣旨に適していること、です。この援助事業は、2007年4月以降は、日本司法支援センター(法テラス)に業務委託されます。
2004年(平成16年)に制定された「犯罪被害者等基本法」は、「すべて犯罪被害者等は、個人の尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい処遇を保障される権利を有する」(同法3条1項)と規定して、初めて「犯罪被害者の権利」を明文化しました。同法は、犯罪被害者支援等のための施策を策定・実施することを国や自治体の責務と定め、給付金の支給に関する制度の充実、保険医療サービス等の提供、安全の確保、居住・雇用の安定、刑事に関する手続への参加の機会を拡充するための制度の整備などを国や自治体の具体的な責務として位置づけています。
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