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法律相談 Q&A
交通事故
法律相談のいくつかの事例をご紹介します。
Q1 交通事故を起こして,通行人に怪我をさせてしまいました。どのような責任を負うことになりますか。
Q2 交通事故に遭い,怪我をしました。仕事に行けず,治療費もかかっています。加害者に対して,どのような請求をすることができるのでしょうか。
Q3 加害者は,友人から車を借りて運転していて事故を起こしたそうです。車の所有者に,損害賠償を請求することはできませんか。

Q4 私は,専業主婦なのですが,休業損害は認められないのですか。
Q5 私は,交通事故の後遺症が残り,今後は今までと同様の収入を得ることができなくなってしまいました。その分を損害賠償請求したいのですが,どのように算出されるのですか。

Q6 事故後,加害者と示談しましたが,示談したときには出ていなかった後遺症が出てきました。後遺症について改めて損害賠償を求めることはできますか。
Q7 交通事故で車が大破してしまいました。修理費用より,同じ車を買った方が安いと思います。このような場合,損害はいくらとなるのですか。
Q8 買ったばかりの新車に乗っていたところ,追突されてしまいました。保険会社からは,車の修理費用を支払うと言われましたが,私は,車を買い換えてもらいたいです。このような請求は認められますか。
Q9 交通事故に遭いましたが,必ずしも相手方がだけが悪かったのではなく,私にも落ち度があったと思います。どちらがどれくらい悪かったかは,どのように決められるのですか。
Q10 私は,相手方の車と,交差点で出会い頭に衝突しました。私は青信号で,相手方は赤信号で交差点に入ったのですが,相手方はこれと全く反対の主張をしていて話し合いになりません。このような場合,どうしたらよいでしょうか。
Q11 今年の1月に交通事故にあい腰を痛めて病院に通院をしていたところ、3月に再度事故にあい、さらに腰を痛めてしまいました。ところが、第1事故で治療費を支払っていた保険会社から治療費を打ち切られ、早く示談をするように言われています。また、第2事故の保険会社からは、この程度の事故では怪我はしないはずだと言われて治療費の支払いを拒絶されています。どうしたらいいのでしょうか。なお、私には腰痛の持病もあります。
Q12  私は先日駐車していた自動車を盗まれてしまい、盗んだ者がその自動車を運転して事故を起こしてしまいました。所有者である私が事故の賠償責任を負うことになるのでしょうか。
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Q1 交通事故を起こして,通行人に怪我をさせてしまいました。どのような責任を負うことになりますか。
A1 民事上,刑事上,行政上の責任を負います。民事上の責任とは,被害者等に発生した損害を賠償する責任です。刑事上の責任とは,刑法第211条の業務上過失致死傷罪,同第208条の2の危険運転致死罪等の違反について刑罰を受ける責任です。行政上の責任とは,運転免許の停止や取消といった行政処分を受ける責任です。
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Q2 交通事故に遭い,怪我をしました。仕事に行けず,治療費もかかっています。加害者に対して,どのような請求をすることができるのでしょうか。
A2 事故によって発生した損害の賠償を請求することができます。損害には,積極損害,消極損害,慰謝料があります。積極損害とは,交通事故により支払うことを余儀なくされた損害をいい,消極損害とは,将来得られたであろう利益の喪失をいい,慰謝料とは,精神的苦痛に対する損害賠償をいいます。
  積極損害には,治療費,付添看護費,通院交通費,葬儀費用等があり,消極損害には,休業損害,後遺症や死亡による逸失利益等があります。
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Q3 加害者は,友人から車を借りて運転していて事故を起こしたそうです。車の所有者に,損害賠償を請求することはできませんか。
A3 車の所有者は,自賠法第3条の「自己のために自動車を運行の用に供する者」(運行供用者)として責任を負うので,請求は可能です。この責任は,自己及び運転者の無過失,第三者の故意又は過失,自動車に構造上の欠陥又は機能の障害がなかったことを証明しない限り免れない重い責任です。
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Q4 私は,専業主婦なのですが,休業損害は認められないのですか。
A4 賃金センサスという一定の基準を基礎として,受傷のために家事労働に従事できなかった期間について認められます。
また,パートタイマー等で働いている方は,現実の収入額と女子労働者の平均賃金額のいずれか高い方を基礎として算出します。
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Q5 私は,交通事故の後遺症が残り,今後は今までと同様の収入を得ることができなくなってしまいました。その分を損害賠償請求したいのですが,どのように算出されるのですか。
A5 後遺症による逸失利益の問題です。原則として事故前の現実の収入を基礎にし,それに後遺症による労働能力喪失率及び労働能力喪失期間を掛け,その間の中間利息を控除して算出します。
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Q6 事故後,加害者と示談しましたが,示談したときには出ていなかった後遺症が出てきました。後遺症について改めて損害賠償を求めることはできますか。
A6 示談当時発生していなかった,予想できなかった後遺症が発生した場合には,改めて損害賠償を求めることができます。
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Q7 交通事故で車が大破してしまいました。修理費用より,同じ車を買った方が安いと思います。このような場合,損害はいくらとなるのですか。
A7 修理費用が時価額を超える場合,経済的全損といって時価額が損害となります。時価額とは,現在市場で流通している価格をいいます。
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Q8 買ったばかりの新車に乗っていたところ,追突されてしまいました。保険会社からは,車の修理費用を支払うと言われましたが,私は,車を買い換えてもらいたいです。このような請求は認められますか。
A8 残念ながら,修理費用を支払ったことで損害は賠償されており,買い換えを求めることはできません。しかし,買って間もない新車などの場合には,評価損といって事故歴・修理歴が付いたことにより下落した価値について,損害が認められることもあります。
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Q9 交通事故に遭いましたが,必ずしも相手方がだけが悪かったのではなく,私にも落ち度があったと思います。どちらがどれくらい悪かったかは,どのように決められるのですか。
A9 それは過失割合の問題といい,判例タイムズ社が出している「民事交通訴訟における過失相殺率の認定基準」(東京地裁民事第27部編)を基本に,事案に応じて修正要素を考慮して決めます。例えば,信号機のない交差点における右折車と直進車の衝突事故では,直進車の過失が2割,右折車の過失が8割が基本とされ,合図を出さなかったり,速度違反があったりした場合には,それらを考慮して修正します。
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Q10 私は,相手方の車と,交差点で出会い頭に衝突しました。私は青信号で,相手方は赤信号で交差点に入ったのですが,相手方はこれと全く反対の主張をしていて話し合いになりません。このような場合,どうしたらよいでしょうか。
A10 事故態様に争いがあり,当事者間で解決が困難な場合は,交通事故紛争処理センターや日弁連交通事故相談センターでの話合い,裁判所(調停・訴訟)で解決することになります。
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Q11 今年の1月に交通事故にあい腰を痛めて病院に通院をしていたところ、3月に再度事故にあい、さらに腰を痛めてしまいました。ところが、第1事故で治療費を支払っていた保険会社から治療費を打ち切られ、早く示談をするように言われています。また、第2事故の保険会社からは、この程度の事故では怪我はしないはずだと言われて治療費の支払いを拒絶されています。どうしたらいいのでしょうか。なお、私には腰痛の持病もあります。
A11 第1事故による治療中に第2の事故が入ってきたのですから、因果関係が中断されたとして、第1事故の治療費の支払いを拒絶することはあり得ます。第2事故について、物損が軽微の場合には、人身傷害は発生しないと争われることがあります。そこで車両の損傷の写真を撮影したり、修理見積についてチェックをしておいて下さい。第2事故について保険会社が治療費を支払わないと言うのは、任意保険と自賠責保険の関係で言うところの、一括払いを拒否することです。しかし、一括払いとは、保険会社が立替払いを行う制度であり、サービスとされています。要は、そのサービスをしないと言っているだけですから、自賠責保険に対して、被害者請求をすればよいのです。そして、第1事故と第2事故との異時共同不法行為が認められる可能性があります。そこで、第1事故の示談をすることは少し待った方がよいかもしれません。次に、持病については「素因競合」となり得ます。判例でも素因としての疾病は、相当な減額の対象となるとされています。持病としてヘルニア等があるかを確認して、今回の事故により別の損傷が発生しているかどうかのきめ細かな資料や情報収集をするように心がけて下さい。
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Q12 私は先日駐車していた自動車を盗まれてしまい、盗んだ者がその自動車を運転して事故を起こしてしまいました。所有者である私が事故の賠償責任を負うことになるのでしょうか。
A12 無断運転での事故責任という問題ですが、無断運転と言ってもその態様は千差万別です。無断運転をした者が損害賠償責任を負うことは当然ですが、無断運転された保有者(所有者)の責任については、実務上いろいろな考え方があるのが現状です。
 例えば、保有者と無断運転者との間に雇用関係があったり、親子・兄弟・友人など密接な人的関係がある場合は、大部分の判例は自動車損害賠償保障法により保有者の損害賠償責任を認めているのが実情です。
 最も問題となるのが、本問のようないわゆる「泥棒運転」による事故発生の場合です。泥棒運転の場合にも、その態様は様々であり、典型的な泥棒運転、即ち自動車の保管方法に全く落ち度がないにも拘わらず、第三者がドアをこじあけてエンジン直結の方法などで自動車を窃取したような場合は、保有者に損害賠償責任はないとしているのが通説・判例といえるでしょう。
 問題となるのは、例えば、キーのついたまま路上駐車中の自動車を通行人が窃取したような、即ち保有者に自動車の保管上の過失が認められるような場合です。判例に現れた具体的な事例でいいますと、繁華街の道路上にキーを差し込んだまま自動車を30分間駐車していたケース、家の前の道路上にドアを施錠せず、キーをつけたまま駐車していたケースなどで保有者の損害賠償責任が肯定されてます。否定されたケースには、タクシー会社の従業員が営業車をドアに施錠せず、キーを差し込んだまま会社駐車場に駐車させていたところ、夜間窃取された場合などがあります。
 つまり、(1)路上駐車であればキーを抜いてドアに施錠してあれば、(2)また、第三者の立ち入りを構造上排除している駐車場などに駐車してあればドアに施錠せずキーをつけたままでも、保有者の管理義務は尽くしていると評価されて損害賠償責任はないと考えられています。

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